こんな春になるとは夢にも思わなかった。
人生を掛けて築きあげた家々が、先人から受け継がれた町並みが、一瞬にして津波に飲み込まれていく映像に言葉が出なかった。
誰もが自分の人生と照らし合わせた時、その虚しさは計り知れない。
さらに、家族を失った人たち、放射線から逃れる避難住民。
帰る家もなく、途方に暮れる方々が落ち着きを取り戻すには、再び穏やかな暮らしを送るには、どのくらいの歳月が必要なのか。
食事をとり、風呂につかり、眠りに就ける。
家族がいて、住居があり、夢を見て、希望を持てる・・・。
なんて幸せな事なんだろう。
【15日 東京株暴落】
福島原発の経過も影響して下げ幅は一時1,300円を超え、1987年の「ブラック・マンデー」に次ぎ、過去2番目の大きさ。
リーマンショックを上回る数値に、国難の大さが理解できる。
『未曾有の出来事』
こういう事態の事を差すのかと今、直面する現実に唖然とする。
戦後に生まれ育った自分には、体験のない悪夢だ。
震災によって損傷を受けた福島原発は第2の津波と化し、
地域住民どころか世界各国に衝撃を与え、
技術大国日本の「安全神話」を揺るがす事態になっている。
しかし、その一方で日本人の『助け合い』の精神が、
世界各国から称賛されている。
国によっては、略奪などが起こりうる状況だが、
社会的秩序を保って互いに助け合う心が今も存在している事について
震災当日の11日、公共の交通機関が止まり、サラリーマンが帰宅の足を奪われた東京でも
「人々は互いに助け合っていた。レストランや商店街はペットボトル入りの飲料水を無料で提供し、トイレを解放した」
と驚きをもって伝えたという。
東北だけではない。
「チーム日本」だと思う。
震災の被害に遭われた方々の再び、穏やかな暮らしを取り戻す事と、お亡くなりになられた方々へのご冥福を心よりお祈り致します。